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Colossus Studios

アーノルドレンダー検証 その33

MtoA 3.0.1  Arnold 5.1.1.0 core. 

先回のブログで書いたとおり、マイナーバージョンアップで”NOICE”のUIが搭載されました。
UIといっても簡素なものですが、せっかく搭載してくれたので、さっそく見ていきましょう。


レンダー設定のAOVsにDenoiseに関する項目が追加されています。
Arnold Denoiser “NOICE”を使いたい場合は、このようにOutput Denoising AOVsをONにします。
すると、前回までは手動で設定していたAOVsが自動的に設定されているようです。
しかし残念なことは、自動的に設定されていても下部のActive AOVsに表示されないのです。

レンダリングした結果をNUKEで読み込んでみると、確かにNOICE処理に必要なAOVsが生成されていました。

レンダー設定にはOptiXの項目もあります。

ただし、こちらは、OptiXの回でもお伝えしたように、OpenEXRのMerge AOVsを解除しておく必要があります。

じゃあ、両方をONにしたらどうなるのか?
答え→Merge AOVsにしていなければ、OptiXで処理されたデノイズ画像と、NOICEに執拗なAOVsが両方生成されます。
ただし、後でNOICE処理するためにバラバラに出力されたAOVsをNUKEなどで1つのOpenEXRにマージする必要が出てきます。

では、NOICEのUIをを使ってデノイズ処理をしてみましょう。

NOICEのコマンドはArnoldメニューのUtilitesにありました。

このようなUIパネルが出てきます。

使い方はNUKEの回でも説明したのと同じようなものですね。

さっそく、1280x720サイズのOpenEXR連番を10枚ほどデノイズさせてみました。

NOICEの処理中はCPUを100%使用しています。

スクリプトエディターにログが表示されます。
10枚を3分ほどで処理できました。1枚20秒ほどで処理できているので、NUKEのスクリプトを付き合った場合よりもかなり速いですね。
UIが用意されたことでNOICEは使いやすくなったと言えるでしょう

が、しかし、何回かテストしてみても、10枚目を超えると正常に処理してくれない!これってバグ?
(追記)これはデータを読み込む時のパディングに対するバグだそうです。次のバージョン3.0.1.1で修正される予定です。

仕方ないので、前回のNUKEスクリプトでデノイズ処理させました。
こちらご覧いただくとわかるとおり、顔のテクスチャはそのままでパストレーシングノイズだけきれいに処理されています。

MtoA 3.0.1は他にもいくつか機能が追加されていますが、なかでも目玉はビューポート上でのArnoldレンダリングです。
V-Rayでは以前からありましたし(決して使い勝手が良いものではなかった)mentalRayも消えゆく直前に同じような機能がありました。

Arnoldの場合はArnold Render Viewと同じようなUIとなっていますので、使い勝手は悪くないと思います。

デバッグもビューポート上で行えます。

ということで、今回はなかなかGoodなバージョンアップだと思いますので、おススメです。
あ、Arnold Viewport renderingはMaya2018専用なのでご注意を!