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Colossus Studios

アーノルドレンダー検証 その34

POLYNOMIAL OPTICS TO ARNOLD

通称”POTA”は広角レンズモデルをシミュレートするArnold用のオープンソースカメラシェーダーです。

Arnodlを含むたいていのレンダラーのカメラは通常ピンホールカメラを模倣しています。現実世界のカメラを模倣しているわけではありません。カメラの焦点距離やアパーチャーサイズを指定することはできても、レンズそのものの光学シミュレーションを行っているわけではないのです。CGでレンダリングされた画像がどこか嘘っぽいのも、正確なシミュレーションではないからということが原因の一つかもしれません。

POTAはArnold上でいくつかのレンズの光学シミュレーションを行うことができます。
通常、カメラのレンズは複数毎のレンズで構成されていますが、POTAはこれらレンズを通る光線を高次多項式によって導き出し、リアルなレンダリング画像を提供してくれます。

プラグインはこちらから入手可能です。

Arnoldの通常のカメラ設定はこのようになっていますが、プラグインを入れておくと、カメラタイプからPOTAを選択することができるようになります。
 
POTAの設定では現実世界に存在するレンズをいくつか選択することが可能です。
設定すべきパラメータはいくつかありますが、F値によるボケをコントロールする場合はUnitsをcmにしておく必要があります。
 

では、その中の1つ、SMC Takumar 50mm F1.4 後期版を使ってレンダリングしてみましょう。
ちなみに、このレンズマニアが喜ぶオールドレンズは、アサヒペンタックスが製造販売していたレンズで、Super-Takmar世代から数えるとⅠ型は8枚構成、Ⅱ型以降は7枚に減りましたがガラスにトリウムが含まれているため、ごくごく微量な放射線を放つアトムレンズと呼ばれています。


写真はSuper-Multicoted-Takmar 50mm F1.4

まず、Arnoldの通常のカメラではこのようになります。

それにDOFを加えた場合はこうなります。

SMC Takumar 50mm F1.4 によってレンダリングするとこうなります。

一見同じように見えますが、レンズの光学シミュレーションを行っているため、画像の中心から周辺に行くにつれて歪が発生しています。この辺りの画像が分かりやすいかと思います。

3Dモデルのワイヤフレームと重ねてみると、レンズの歪によって位置が異なることが分かります。

レンズはいくつか登録されていますので、実際のレンズを交換するように変更して楽しむことができます。
今回はとてもカメラマニア受けするネタでした。