6Jun
10年ほど使い続けたイケイケケースにお別れを告げてGATORのCommander Caseに新調しました。
セミハードタイプの包まれ感が持ち運び時に安心を与えてくれます。
Arnold5になってレンダリングスピードがかなりアップし、ノイズも少なくなったのはとてもうれしい限りなのですが、シェーダー周りがガラッと変わってしまったのには正直戸惑いを覚えてしまいます。でも、たぶん、今までの古いシェーダーのままでは、CPUとGPUでイコールにならなかったのではないでしょうか。なので全く新しいシェーダーを設計したのかなあと推測してしまいます。
Standard Surface
新しくなった標準シェーダーで反射系と屈折系が整理統合されてクリアコーティング層が追加された点はとても扱いやすくなったのですが、サブサーフェイススキャッタリングのSKINシェーダーが無くなってStandard Surface シェーダーに統合されたところは戸惑いを覚えます。
しかもサードパーティーのalShadersが使えなくなったので代わりのSKINシェーダーもありません。
というわけなので、新しいStandard Surface シェーダーを使いこなすしかないようです。
まずは、古いバージョンのSKINシェーダーと標準シェーダーのSSS比較してみました。
SKINシェーダーには3層、標準シェーダーには1層のSSSパラメータがありますが、単純なSSS効果による比較では標準シェーダーよりSKINシェーダーの方がレンダリング速度は速いようです。
Arnold1.4.2 Skinシェーダー 4分48秒
2つのレンダリング結果を比較すると、SKINシェーダーより標準シェーダーの方が、内部拡散の明るさと厚みによる陰のコントラストがよりリアルに見えます。3層あるという点も、実際にそこまで使用するのか?というところと、そのためにコントロールが難しくなっしまうというのは、今考えるとArnoldのコンセプトに相反するようにも思えます。さらには、標準シェーダーとSKINシェーダーが分離していることによって、標準シェーダーで作り上げて基本的なマテリアルにSSS効果を足したいような場合は悩ましい選択を強いられてきたわけですから。
では、Arnold5の標準シェーダーを使って同じシーンをレンダリングしてみましょう。
Arnold2.0 標準シェーダー 6分32秒
レンダリング結果はどちらとも異なるように見えますが、内部拡散の感じはArnold1.4.2のSKINシェーダーに近いようです。
では、Arnold1.4.2の標準シェーダーのようなリアルな陰の表現はできないのというとそうではなく、どうやら物理的により正確になった分、パラメータ値に対するスケールの扱いが異なっているようなのです。そこで、SSSのスケールを10分の1に変更してみました。
Arnold2.0 標準シェーダー SSSスケールを0.1に 3分53秒
こうすると、Arnold1.4.2の標準シェーダーと同じような陰の表現になりました。しかもレンダリング時間は倍近く速くなっています。
新しいシェーダーになった分混乱は覚えますが、よりシンプルになった操作性を使いこなせば、レンダリング時間だけでなく設定のための時間もより短縮されることになるでしょう。
そろそろ2.0.1の足音が聞こえてきそうです。それと1.4.2.3も。