28Jan
KATANA3.1から3Delightが3DelightNSIへバージョンアップされています。
3DelightNSIはNSIテクノロジを搭載した初のレンダラーです。
NSI(Nodal Scene Interface)は柔軟でモダンなレンダリングAPIです。これは、3Delight NSIレンダラーによってOSL(Open Shading Language)と共にシェーディングに使用されます。NSIの目標の1つは、編集可能なシーン記述のインタラクティブレンダリングです。
OSL(Open Shading Language)プログラマブルシェーディングの業界標準。3Delight NSIはOSL技術を中核としています。緊密な統合によりシェーディングとレイトレースの非常に効率的な結合を可能にします。
ようするに3DelightNSIは、ホストアプリケーションだけではなく他のアプリケーションとの連携を容易にするため、NSIとOSLを核にして再構築されたモダンなパストレーサーです。
KATANAv3.1をインストールすると自動的に3DelightNSIもインストールされて使用できますが、実はMaya版3Delightも最新版では12コアまでという制限はあるものの、全ての機能を使用することができるフルライセンスを無料で使用することができます。
モダンパストレーサー
3DelightNSIはモダンパストレーサーの中でも1,2を争うほどレンダー設定のクオリティコントロールはシンプルです。
Shading SmaplesとPixel Smaplesの2つだけでほぼすべてのシーンに対して効果を発揮します。
- Shading Smaples 1ピクセルあたりのレンダラのシェーディング計算を実行するための光線の量。これらの計算には、BRDFサンプリング、ライトサンプリング、サブサーフェスサンプリング、透明度、およびマテリアルが要求するその他のシェーディング要素が含まれます。 3Delightは、アダプティブアルゴリズムを使用して、光線ごとにサンプリングする適切なシェーディングコンポーネントを自動的に選択します。これはhard 3Delightに必要な唯一のサンプル設定です。
- Pixel Smaples 各ピクセルを細分化するサブサンプル数を指定します。このパラメータのドラフト品質設定は16です。高品質の設定は64です。大きなモーションブラーや被写界深度をレンダリングする場合は、より高い値が必要になることがあります。デフォルト値は9です。3Delightでは、スクリーンサンプリングとサーフェスシェーディングは独立しています。他のレンダラーでは、 “AA”サンプルの量を増やすと、シェーディングサンプルの量も増えます。
KATANAとの互換性
しかし、3DelightNSIが興味深いのはそのシンプルさではなく、MayaとKATANAをNSIによって結びつけている点にあります。
例えば、Mayaでマテリアルを割り当て、ライティングを施したシーンを作成します。
Maya上で3Delightを使ってレンダリングするとこのような画像になります。
通常ならAlembic形式に出力してKATANAで再セッティングするところですが、3DelightNSIの場合はレンダー設定から.NSI形式というフォーマットで出力することが可能です。
そして、このNSIファイルをKATANAで直接読み込むことが可能です。
DINSIArchiveノードを使って、Mayaで作成したNSIファイルを指定します。
すると、Mayaで作成されたシーンファイルがそっくりそのまま読み込まれ、マテリアルやライティングの設定までもが引き継がれ、とてもシンプルなノードレシピでレンダリングを行うことが可能になります。