28Aug
久々の更新です
あれ?これ書いてた中の人、もうコロッサスからいなくなったんだと思ってたよ…というあなた!
半分正解ですwww
ここんとこずっとコロッサスのある渋谷から遠く離れたところでVray(仕事で仕方なく…)ばっかり触ってたので、Arnoldのことを忘れかけていたんですが、Solid Angleのジョージさんにお会いしてから、再びブログを再会させることに注力しました。
7月半ばにArnoldの最新版がリリースされていました。
Maya版だと1.1.0.4 Core4.2.0.6です。
Maya2015への最適化(ビューポート2.0、XGen、流体のモーションブラー)
計算スピードの改善、シェーダーの機能整理などがあげられています。
一つ前のリリースと計算速度の比較をしてみました。
MtoA1.0.0が8分08秒 MtoA1.1.0.4が7分54秒
う~ん、ほんの少し速くなっていますね。
Solid AngleのWebによれば、レイアクセルビルド、サブディビジョン、ディスプレイスメント、ライトが多いシーン、バックライト等がより最適化されているということなので、別のシーンではまた違った結果になるのかもしれません。
さて、今回はArnoldのCameraについてです。
Arnoldには専用カメラノードは無く、MayaのCameraにArnoldのアトリビュートが付属することでコントロールすることができます。
Focal LengthやFilm Offset等、Mayaのパラメータを引き継ぎながら、Camera TypeやExposure等、Arnold専用アトリビュートを設定していきます。
まずDOF効果を設定してみましょう。
頭に焦点(↑)を合わせてみます。
DOFはフォーカスディスタンスとアパーチャーサイズで設定します。
Mayaのヘッドアップディスプレイでオブジェクトからカメラまでの距離を表示しておくとスムーズに設定できますね。
こんどはしっぽに焦点(↑)を合わせてみました。
その他にもアパーチャーブレードの枚数や角度、アスペクトレシオなども設定できます。
次に、カメラの種類についても見てみましょう。
これは、普通のパースカメラ(↑)です。Mayaの設定をそのまま引き継いでいます。
魚眼カメラ(↓)に変えてみましょう。
これは180度の視野を持っています。ドーム映像などを制作する場合に使用できますね。
次は円筒カメラ(↓)です。
円筒状の視野を持つ特殊な表現です。パノラマビューを作成する場合に便利です。
水平、垂直それぞれにFOVを変えることができます。
それから球面カメラ(↓)です。
カメラのレンズが360度視野を持っていることになります。環境照明用のHDRI等を作成する場合に使えますね。
続いては、カメラの機能ではありませんが、スケール感のあるシーンなので、このシーンを使って空気感を出すためのDepth Fogを与えてみましょう。
Ai Fogはレンダー設定の環境から呼び出します。
カメラから離れるにしたがって白く霞んでいきます。(↑)
設定は少し慣れが必要ですが、場面によってはCG臭さを消すためにも必要なものです。
こちらはVolume Fog(↓)です。スポットライトやポイントライトなど、減衰のあるライトで使うことができます。
最後にArnold Cameraの特殊なモーションブラーについて。
モーションブラーをONにするだけで、回転体でも問題なく美しいモーションブラー効果が得られます。
さらにArnoldではモーションブラー効果のシャッターカーブを可変できるので、
このような見え方の異なるモーションブラーを得ることが出来ます。
さらに、Arnoldのモーションブラーにはローリングシャッター効果も簡単に設定できるのだ。
※ローリングシャッターとは、画像を走査線ごとに上から順に記録するCMOSカメラで高速に動くものを撮影したときに発生する、現実とは異なる形に見えてしまう現象。
過去の記事:シェーダー
その2 反射について
その3 屈折について
その4 SSSについて
その5 ディスプレイスメントについて
その6 ヘアーシェーダー
その7 その他のシェーダーについて
過去の記事:ライト
その8 ライト1
その9 ライト2
その10 ライト3